極上男子短編集
「どうしてじゃねぇよ! また閉じ込められたい?」


苛立ちがましたのか、言葉使いまで荒くなっていく。


一瞬ひるんでしまいそうになったけれど、どうにか彼女たちから視線をそらさずに済んだ。


「そんなことしてなんになるの? また裕太が私を助けにきたら、あなたたちどうするの?」


強気で言うと、今度は相手がひるんだ。


裕太に助けられたことは内緒にしていたから、驚いたのだろう。


「嘘でしょ。勝川くんがあんたなんかのこと……」


もごもごと口ごもる。


「本当だよ。裕太は私を助けてくれた。だから私は全力で裕太を応援する。それに……全力で裕太を好きになる」


最後の言葉を2人へ向けて言うには勇気が必要だった。


これ以上関係に亀裂が入れば、きっと私は負けてしまうだろう。


なにせ相手は2人だ。


やろうと思えばどんなことでもできてしまう。


「なにそれ、バカじゃないの!?」
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