極上男子短編集
実際に他になにかされたときに自分になにができるのか。


検討もつかないけれど。


「明日写真撮影があるから、絶対に学校に来なよ」


突然後ろからそう声をかけられて振り向くと、美穂と有子が立っていた。


2人ともニヤニヤとしたいやらしい笑みを浮かべている。


その笑みを見ているだけで心の中がどす黒く変色していってしまいそうだ。


「写真ってなに?」


「プリンセス決めの写真に決まってんじゃん。あんたも参加なんだからね?」


有子に言われて私は目を見開いた。


プリンセス決めの写真はそんなに早く撮影されるのか。


「私は、辞退しようかと……」


「はぁ? 私が推薦してやったのになに言ってんの?」


グイッと近づいて睨み付けられると、つい萎縮してしまう。


私は美穂を真っ直ぐ見返すことすらできない。


「やめなよ。やりたくない人に無理やりやらせたってどうしようもないでしょ?」
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