極上男子短編集
「うん」


「全く、仕方ない奴らだな」


そう呟いて私の隣に腰をおろした。


私もそろそろと隣に座る。


シャワーを浴びてきたようで裕太からは石鹸の香りが漂ってきた。


「でも、最近仲いいよね」


「あの2人とか?」


コクンと頷くと、裕太は苦笑いを浮かべた。


「だってあいつら、彩奈のこといじめるだろ。俺があいつらと仲良くしてれば、彩奈には危害が及ばない」


そう言われて黙り込んでしまった。


私が倉庫に閉じ込められた後から裕太はあまり会話をしてくれなくなった。


それって、もしかして……。


「私のためだったの?」


「え?」


裕太が首をかしげて聞き返してくる。
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