極上男子短編集
「私のこと、嫌いになったんじゃないの？」


そう聞くと、裕太は首をかしげたまま大きく目を見開いた。


信じられないと、その目が語っている。


「嫌いになる？　俺が彩奈を？」


「だって、私達ただの幼馴染だし。特別な存在でもないし……」


言いながら自分が意地悪な発言をしているとわかっていた。


だけど止まらない。


ここ一週間ほど、私の心はかき乱されてきた。


それが今になって一気に吹き出して止まらない。


「あいつらから聞いたのか？」


私は頷く。


彼女たちのことを売っているような気になってあまり気分はよくなかったけれど、今更言葉を引っ込めることはできない。


裕太は大きくため息を吐き出して「あいつらにはそう言っておくのがいいと思った」と、答える。
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