極上男子短編集
子供の頃は一緒にお風呂に入っていた中だったのに、どうして今はこんなに恥ずかしいと感じてしまうんだろう。


きっと、私も裕太も成長しているからだ。


悩んで立ち止まって苦しんで、だけどその後には極上のよろこびが待っている。


「私、今までよりももっともっと頑張るよ」


私の言葉に裕太は瞬きをした。


「マネージャーとか幼馴染ってだけじゃなくて、ちゃんと……1人の女として、裕太に見てほしいから」


今のままじゃ裕太と肩を並べて歩くことはできない。


だって裕太はカッコよすぎるから。


「そんなの、とっくの前から見てるって」


裕太が恥ずかしそうに小声でつぶやく。


どれだけ小さな声でも、この距離感だからちゃんと聞こえてきた。


裕太の右手が伸びてきて、私の肩にまわった。


グイッと引き寄せられて心臓が高鳴る。
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