極上男子短編集
☆☆☆

体育館へ向かうとすでに参加者のほとんどが集合していた。


ざっと数えただけで男女それぞれ20人近くはいそうだ。


そんな中、投票で選ばれるのは4人ずつ。


プリンス、プリンセス決めのイベントは意外と狭き門みたいだ。


沢山の美男美女が集まる中ひときわ目立っているのはやあはり五十嵐浩介の存在だった。


みんなより頭ひとつ分背の高い彼はどこに居ても目立つ。


女子たちは五十嵐浩介の周りに集まって、頬をピンク色に染めている。


その様子を遠くから見ているだけで私の胸はチクリと痛む。


私がもう少し可愛ければ。


あの輪の中に入っていくだけの勇気があれば。


そんな風に考えてしまう。


「それではこれから写真撮影を開始します!」


文化祭実行委員の言葉に体育館内から私語が消えて変わりに緊張感が走る。


このイベントでプリンセスの座を射止めることができれば、五十嵐浩介の隣に立つことができる。
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