極上男子短編集
それは女子たちにとって戦場と言っても過言ではなかった。


それに比べて男子たちは和気あいあいとしたもので、緊張感のない雰囲気が漂っている。


「美穂、私変じゃない?」


有子が美穂に質問し、クルリと回転して見せている。


今日の有子は髪の毛を巻いてアップにしている。


輪郭の横に垂らした髪の毛が色っぽい。


「大丈夫だよ」


美穂の言葉に有子は安心したように微笑んで写真撮影の椅子へと向かう。


ひとりが終わるたびに気持ちがどんどん暗く沈んでいく。


やっぱり私は場違いだ。


こんなところで撮影していたら、それこそ笑われてしまう。


参加者ということで体育館まで来てしまったけれど、なにも真面目に来る必要なんてなかったんだ。


私は元々参加したくなんか、なかったんだから。
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