極上男子短編集
「わ、私なんかが参加しても、笑われるだけだから」


説明しながらも悲しくなってきた。


それに、あれだけのメンバーが揃っている中私の存在が浮いていることくらい、五十嵐浩介でも理解しているはずだ。


それなのにこんな風な質問をするなんて、意外と意地悪な性格をしているのかもしれない。


そう思ったときだった。


五十嵐浩介が一歩前に踏み出してグッと距離が近づいた。


突然近づいた距離に驚いて後ずさりをしようとしたが、右腕を掴まれてしまった。


五十嵐浩介の熱が手首を伝って全身にめぐっていく。


自分の顔がカッと熱くなるのを感じた。


「私なんかって、どういうことだよ?」


「え、だ、だって……」


五十嵐浩介に見つめられて視線を外すことができなくなる。


真剣な表情の彼に私はとまどうばかりだ。


「み、みんな可愛くてキレイで、私なんかが一緒にイベントに参加しても――」


最後まで言い終わるより先にグイッと腕を引っ張られていた。
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