極上男子短編集
どうやらどこかからカメラで撮影しているらしい。


カメラは残りの出場者たちの顔を順々にスクリーンに映していく。


壮大な演出に笑ってしまいそうになりながらも、私は必死にうつむいて顔を隠した。


あんなに大きなスクリーンに自分の顔が映るのは嫌で嫌で仕方ない。


こんなヤツが参加していたのかと、全校生徒からの笑いものになってしまうかも。


嫌な予感で埋め尽くされた時会場内がどよめいた。


「沙織、沙織!」


有紗の声がしてそっと顔をあげる。


するとみんなの視線を感じてギョッと目を見開いた。


なに……!?


混乱する頭でスクリーンへ視線を向ける。


そこには自分の顔が映し出されていたのだ。


今まさに驚きで目を見開いている自分の顔が。


「最後の枠を射止めたのは、3年C組、佐藤沙織さんです!!」
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