極上男子短編集
でも、緊張しやすい自分がステージ上に立っても、頭の中が真っ白になってなにもできなくなってしまうかもしれない。


そう思うと、自分から挙手することができなかった。


代わりに男子の目立つグループ数人が手を上げて、その人たちが中心になってステージに上がることになったのだ。


それでいいんだと思っている。


「趣味かぁ……」


「有紗だって大道具係じゃん」


「私はいつでも縁の下の力持ちでいたいの」


そう答える有紗の瞳はキラキラと輝いている。


嘘は言っていなさそうだし、今までの有紗はたしかにそんな存在だった。


学級委員として他の生徒を引っ張って行きながらも、みんなが困っていることにスッと手を差し伸べて解決策を提示する。
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