極上男子短編集
五十嵐浩介はまるで王子様のように片膝をついて私の体を支え起こしてくれる。
その仕草にお客さんたちからまた黄色い悲鳴が上がった。
「怪我はないか?」
聞かれて頷く。
そのまま五十嵐浩介に支えられて自分の位置へと戻って行くことになってしまった。
そのまま辞退しようと思っていたのに、これじゃできなくなってしまった。
仕切り直して自己紹介をさせられている間にも、五十嵐浩介はずっとステージ横に立っていた。
まるで私が逃げ出さないように監視しているようにも見える。
居心地の悪さを感じながらも、次は1人ずつ前に出て特技を披露するコーナーへと移った。
有子は歌声を、美穂はダンスを、そして飯田さんはドレス姿で茶道を披露してみせた。
みんなそれぞれに突出した特技がある中、私だけなにも持っていない。
一応特技コーナーがあると聞いていたから準備してきたけれど、これじゃ太刀打ちできそうにない。
それでも逃げることができなかったのは、やっぱり五十嵐浩介がいたからだった。
「次は佐藤沙織さん、どうぞ!」
司会者に名前を呼ばれてみんなよりも一歩前に出る。
その仕草にお客さんたちからまた黄色い悲鳴が上がった。
「怪我はないか?」
聞かれて頷く。
そのまま五十嵐浩介に支えられて自分の位置へと戻って行くことになってしまった。
そのまま辞退しようと思っていたのに、これじゃできなくなってしまった。
仕切り直して自己紹介をさせられている間にも、五十嵐浩介はずっとステージ横に立っていた。
まるで私が逃げ出さないように監視しているようにも見える。
居心地の悪さを感じながらも、次は1人ずつ前に出て特技を披露するコーナーへと移った。
有子は歌声を、美穂はダンスを、そして飯田さんはドレス姿で茶道を披露してみせた。
みんなそれぞれに突出した特技がある中、私だけなにも持っていない。
一応特技コーナーがあると聞いていたから準備してきたけれど、これじゃ太刀打ちできそうにない。
それでも逃げることができなかったのは、やっぱり五十嵐浩介がいたからだった。
「次は佐藤沙織さん、どうぞ!」
司会者に名前を呼ばれてみんなよりも一歩前に出る。