極上男子短編集
☆☆☆

「なんで私が……」


放課後、図書委員の仕事で図書館に来ていた私はカウンターの上に突っ伏して呟いた。


「まぁまぁ、1度委員会をしておけば後は免除されるんだからいいじゃん」


そう声をかけてきたのは同じクラスになった木下桃だ。


桃とは小学生の頃からの友人で、いまや親友と言っても過言ではない。


同じ高校に入学できて、しかも同じクラスになれたことで2人でして飛び跳ねて喜んだものだ。


「そうだけどさぁ……」


1年生の間は覚えることが沢山ある。


だから委員会に入るつもりはなかった。


簡単な花壇の水やりのような係ならともかく、こんな本格的な図書委員なんて……。


そう考えてまた盛大なため息を吐き出した。


「でも、番組までには帰れるんでしょう?」


桃に聞かれて私は勢いよく顔を起こした。


「もちろんだよ!」


もしも延長を頼まれたって断るつもりだ。


だって今日は……。


「ヒーロー高校極上部の放送日だもんねぇ!」
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