極上男子短編集
「もうそんな時間?」


こうしてアニメの話をしているだけの委員があればいいのになぁ。


なんて、甘い期待を抱く。


「桃、明日も来てくれる?」


「もちろん。また『ヒーロー高校極上部』の話しようよ!」


「うん!」


図書室を出ていく桃の後ろ姿を見送って、残りの時間をどう過ごそうかと考える。


普通に考えて図書委員の仕事をすればいいのだけれど、今日は本を借りていく生徒が少ないようで暇になってしまった。


思わず大きなアクビが出た時……「ゴホンッ!」


咳払いの声が聞こえてきて咄嗟に口を閉じていた。
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