極上男子短編集
☆☆☆

中学まではアニメを見ていてもなにも言われなかったのに、高校に入学した途端に文句を言われるようになった気がする。


だけどたった1ヶ月の差でそこまで趣味が変化するものでもない。


「摩耶おはよ!」


A組の教室へ入ったところで後ろから桃に声をかけられて立ち止まった。


桃の目はキラキラと輝いていて、昨日の『ヒーロー高校極上部』の話をしたがっているのがわかった。


「昨日見た?」


「見た見た!」


「昨日の回も良かったよねぇ!」


「神回と言ってもよかったと思うよ!」


2人できゃあきゃあ騒ぎながら自分たちの席へ向かう。


杉本摩耶と木下桃だから、席も近いんだ。


「それでレイヤ様がさぁ!」


また夢中になって周りが見えなくなっていた。
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