極上男子短編集
☆☆☆

同じ学校に、しかも同じクラスにレイヤ様がいる。


もちろん清水くんはレイヤ様ではないのだけれど、そう思うことで1日の彩りが全く違うものになってくる。


退屈な数悪の授業も、突然始まった国語の小テストも憂鬱な気持ちになることがなかった。


レイヤ様そっくりな彼は清水和夫くんと言うとても平凡な名前のようで、レイヤ様に似ていなければなかなか覚えられなかっただろうと思う。


そんな清水くんの周りには優等生たちが集まってきて、休憩時間の度になにやら教科書を開いて難しい顔をしている。


図書室でも1人で勉強していたし、とても優秀なのだろう。


「もっと、レイヤ様みたいに運動神経が良くないのかなぁ」


体育の授業が始まったとき、私はグラウンドの半分を使ってサッカーをしている男子たちへ視線を向けて呟いた。
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