極上男子短編集
そう考えて思い当たるのはただひとつ、大好きなアニメだ。


高校に合格してからというもの、我慢してきたアニメを大開放していた。


録画していたアニメは春休み中にすべて観て、マンガも読んでいた。


それでもたった数週間でここまで成績に影響がでるなんて思っていなかった。


きっとこれはなにかも間違いだ。


席に戻り、答案用紙をにらみつけるようにして必死に答え合わせをする。


先生がミスをしていると決めつけていたけれど、どうにも先生は間違えていないようだ。


つまり私は……ゼロ点。


ヒクッと口元が引きつった。


こんな点数のテスト両親に見せることはできない。


特に母親にはなにを言われるかわからない。


いや、父親にだって無理だ。


今日勉強について言われたばかりなんだから。


高校に入学してすぐここまでバカになったなんて知られるわけにはいかない。


幸い小テストは抜き打ちで行われたものだから、このまま処分してしまおう。
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