極上男子短編集
そう決めたときだった。


「うわ、ゼロ点?」


そんな声が聞こえてきてハッと息を飲んだ。


顔を上げると私の席の前にレイヤ様……に、似ている清水くんが立っていた。


清水くんは私の答案用紙に視線を落としている。


「か、勝手に見ないでよ!」


慌てて両手で答案用紙を隠してももう遅い。


清水くんは呆れたような表情でかすかに笑った。


な、なによ……!?


なにか言い返したかったけれど、また場所をわきまえずに大声になってしまいそうなので言葉をグッと押し込めた。


ここで大声を出してしまうと、自分がゼロ点を取ったことを他の生徒たちにも知られることになる。


「こんなの、簡単だったのに」


清水くんはそう言うと答案用紙を見せてきた。


そこには100点の文字が踊っている。

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