極上男子短編集
アニメがあったから受験もがんばれたし、日々のストレスに打ち勝つことができている。


それを取り上げられてしまったら、もうどうしていいかわからない。


「それならアニメを見る前に勉強をしなさい。どうせ録画してるんだから」


「でもっ……!」


確かに録画してあるけれど、リアルタイムで見ないと話題にも追いつけない。


録画したアニメを見る前にSNSでネタバレなんて見てしまったら人生の終わりだ。


そう考えてサッと青ざめる。


「次のテストでいい点を取るまでの辛抱だと思いなさい」


味方をしてくれると思っていた父親からまでそんな風に言われて、私は押し黙ってしまったのだった。
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