極上男子短編集
☆☆☆

アニメ禁止が言い渡された翌日、私は屍のような出で立ちで学校へ来ていた。


「摩耶どうしたの?」


真っ青な私の顔を見て桃が心配そうにかけつける。


昨日の出来事をカラカラに乾いた声で説明する。


すると桃は大きく目を見開いて「セロ点だったの!?」と驚いた。


声が大きい上に、アニメ禁止に対しての反応じゃなかったので思わずムッとしてしまう。


「ご、ごめん。私のせいでアニメ禁止になったんだよね」


ようやく事態を把握した桃が申し訳なさそうに言う。


私は大きく息を吐き出した。


「桃のせいじゃないよ。ゼロ点を取ったのは私だし……」


どれだけアニメを見ていたって勉強をちゃんとしていればよかったのだ。


それを怠ってゼロ点を取ってしまったのは自分だ。


「でも、アニメ禁止はきついね」


「そうだよね? 私の親って鬼なのかも」


真剣な表情でそう呟くと、桃は苦笑いを浮かべた。
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