恋に落ちたら
「みのり? 朝からごめんな。起こしちゃったよな。昨日は本当にごめん。仕事が長引いて終わらなかったんだ。移植があってその対応に追われていたんだ。連絡もできずにごめん」
仕事が長引いた?
女性と腕を組んで歩いていたじゃない。
私は悟くんの言葉に疑心暗鬼になる。
「みのり? 何度も連絡くれていたのにごめんな。うちの駅まで来てくれてたんだろ? 本当にごめん」
「もういい」
私が一言そう告げると悟くんはどこか慌てたように「どういうこと?」と返してきた。
「もういい。悟くんとのことはなかったことにしてもらう」
「みのり?」
「ごめんなさい」
私は話を切ろうとするが悟くんは帰る様子はもちろんない。
「みのり、昨日のことは悪かったよ。でも医療従事者だからこういうことはこれからもあるし、これだけはしかたないんだ。謝ることしかできないが、それだけで終わりにしないでほしい」
悟くんは私に昨日のことを見られたって気がついていないから私が仕事に理解がないんだと思ってるんだ。
「そんなこと私だって分かってます。社会人になって仕事が時間通りに終わらないことも、薬剤師として病院で働いてる限りこういうことがあることも理解しています」
「ならどうして? 言ってくれなければ分からないよ」
詰め寄る悟くんの言葉に私は胸の中でモヤモヤしたものが広がる。
一から十まで全てを言わなきゃならないの?
昨日私との約束を反故にし、その上あの綺麗な彼女と腕を組みながら歩いていたくせに。
「みのり!」
「言いたくない! もう帰って」
私は悟くんの声が聞こえないよう布団の中に潜り込んだ。
悟くんの声が聞こえた気がしたが、そのうち聞こえなくなった。
うわーん…
私は声を押し殺しきれず泣き声が漏れてしまう。
どうして昨日あんな仕打ちをしたくせに優しくするの?
あの人はなんなの?
知らずに結婚していたらあの人との関係も続いていた?
初めての経験にどうしたらいいのか戸惑ってしまう。
仕事が長引いた?
女性と腕を組んで歩いていたじゃない。
私は悟くんの言葉に疑心暗鬼になる。
「みのり? 何度も連絡くれていたのにごめんな。うちの駅まで来てくれてたんだろ? 本当にごめん」
「もういい」
私が一言そう告げると悟くんはどこか慌てたように「どういうこと?」と返してきた。
「もういい。悟くんとのことはなかったことにしてもらう」
「みのり?」
「ごめんなさい」
私は話を切ろうとするが悟くんは帰る様子はもちろんない。
「みのり、昨日のことは悪かったよ。でも医療従事者だからこういうことはこれからもあるし、これだけはしかたないんだ。謝ることしかできないが、それだけで終わりにしないでほしい」
悟くんは私に昨日のことを見られたって気がついていないから私が仕事に理解がないんだと思ってるんだ。
「そんなこと私だって分かってます。社会人になって仕事が時間通りに終わらないことも、薬剤師として病院で働いてる限りこういうことがあることも理解しています」
「ならどうして? 言ってくれなければ分からないよ」
詰め寄る悟くんの言葉に私は胸の中でモヤモヤしたものが広がる。
一から十まで全てを言わなきゃならないの?
昨日私との約束を反故にし、その上あの綺麗な彼女と腕を組みながら歩いていたくせに。
「みのり!」
「言いたくない! もう帰って」
私は悟くんの声が聞こえないよう布団の中に潜り込んだ。
悟くんの声が聞こえた気がしたが、そのうち聞こえなくなった。
うわーん…
私は声を押し殺しきれず泣き声が漏れてしまう。
どうして昨日あんな仕打ちをしたくせに優しくするの?
あの人はなんなの?
知らずに結婚していたらあの人との関係も続いていた?
初めての経験にどうしたらいいのか戸惑ってしまう。