先輩とキス(短編)
取られたくない
幸せいっぱいの体育祭から
2ヶ月が経った。
季節はすっかり冬になり
寒い日が続いていた。
朝ロッカーで見かけた先輩は
黒いマフラーをしていて
いつもと違って見えた。
先輩が吐く白い息さえカッコいいと感じる。
先輩…もうすぐ冬休みですね。
クリスマスは受験勉強ですか??
それとも誰か
一緒に過ごす人はいるんですか??
先輩、私はまだ1年だけど
もう卒業後の進路のことを考えています。
K大に行きたい。
単純すぎて笑われちゃうかな?
だって先輩の卒業が近づいてきていることを考えると
胸が苦しくなるんだもん。
教室に入り、
私は聞きたくない情報を聞いてしまうことになった。