先輩とキス(短編)


江口先輩は応援団長をつとめていた。



私の好きな川瀬先輩は副応援団長。





緑団の先輩たちはみんな優しくて面白くて

いつもしっかり団をまとめてくれた。



体育祭前日


それぞれに団が集まって
掛け声の練習をする。




「じゃあ、今から練習するからみんな聞いてー」




メガホンを片手に江口先輩がみんなを1つにする。



ふざけながらも
気合いの入った先輩たちに下級生の私たちも楽しい雰囲気に包まれた。





「先輩たちかっこいいね、由梨。」


『うん、かっこいいね。』




ミキと笑いあいながら先輩たちを見つめていた。





「私、明日江口先輩に頑張ってメアド聞こうかな。」

ミキが江口先輩を見つめながら言った。

『本当に?』

「うん。だって、もう半年もしないうちに先輩たち卒業でしょ?最後のチャンスだもん。」





そっかあ…

もう来年は、

先輩はいないんだね




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