先輩とキス(短編)
手が震えるー!!!!
大好きな川瀬先輩が目の前にいる沈黙の赤外線通信は、クラスの友達とメアド交換する時より遥かに長く感じた。
こんなに近くに川瀬先輩がいる。
やばい。
通信が完了すると川瀬先輩は
「俺は3年5組の川瀬翔太っていいます。」
と、笑いながら言ってくれた。
初めて話しかけた私にそんな風に笑って言ってくれる先輩
かっこよくて嬉しくて
ますます好きになる。
『はい。知ってます。先輩、さっきカッコよかったです!』
「恥ずかしいなあ。」
先輩はわざと照れたフリをして私を笑わせてくれた。
そしてそのあとに
「ありがとう」
ってつけたした。
『こちらこそありがとうございます。またメールします。』
私はちゃんと先輩の目を見てそう言って、
ミキの元に戻った。