相思相愛・夫婦の日常~はる♡もも編~
「え?でも、私……」

「百枝、行ってきなよ!」
「え?でも……」
「教授には、また後日紹介するから!」
市子と沙也が、意味深に微笑んでいる。

「ほら。友達もいいってだから、行こ?」

「あ、はい…」
優しく手を引かれ、学食に向かった。

「俺、経済学部の結城 永遠。
君は?何処の学部?」

「私は、白鳥 (しらとり) 百枝です。
これでも、社会人なんです」

「え?そうなの?てっきり学生かと……
ごめんね。失礼なこと言って……」
「いえ…」

「ももちゃんは、彼氏いるの?」

「え!?も、ももちゃん!?」

「うん、ももちゃん!可愛いから、ももちゃんって感じだもん!
俺のことも、永遠って呼んで?」
「呼び捨てはちょっと……」
「でも、永遠くんって呼ばれたくない!」
「じゃ、じゃあ…はるくんは?」
「それならいいよ!
フフ…嬉しい!なんか、一気に近づいた感がある!」
はしゃぐように、微笑む永遠。

そんな永遠に、百枝は心が揺れていた。

カッコいいし、可愛いし、綺麗な人だな……と、ボーッと見惚れていた。

「━━━━もちゃん?ももちゃん!!」

「あ、は、はい!」
「どうしたの?やっぱ、手が痛い?保健室行く?」
「あ、いえ!」

「で?彼氏は?いるの?」

「いません」
「え?ほんと!?じゃあ、俺を彼氏にして!
いや、違う!旦那にして?」
「え……」

ぶっ飛んだ永遠の告白に、さすがの百枝もひいている。

「ごめんなさい。急過ぎて……」
「じゃあ…とりあえず、番号教えて!」

そして連絡先を交換した二人。

それから毎日のように永遠から連絡があり、アプローチを受け続けた百枝。

出逢ってから約一年後程経った頃、二人は結婚したのだ。


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「━━━━━でも、あの時の百枝の目、今でも思い出すなぁー」
市子が、百枝の顔を覗き込むようにして言った。

「え?」
「完全に恋してた!一目惚れってゆうか、既にもう…永遠くんに心を奪われてた」

「そうかも……恥ずかしいんだけど、運命みたいなの感じてて……ほんとはるくん、カッコ良くてキラキラしてた。
恋人になる前も、なってからも、今でも……
それは変わらない。優しくて、甘くて、温かくて、一緒にいると落ち着く……!
だから私にとっては、はるくんはそんな人なの」

百枝は自身の胸をキュッと掴み言ったのだった。
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