相思相愛・夫婦の日常~はる♡もも編~
マンションに帰りついた二人。

手洗いやうがい等を済ませ、ソファに座る。
「ももちゃん、ちゃんとご飯食べた?」
「え…あ、うん」

(やっぱり、食べてないし…)
表情で、なんとなくわかってしまう永遠。

「食べてないんでしょ?またどうせ、取り分けたり、飲み物のおかわりばっか気にしてたんだろ?」

「うん…実は…で、でも!ケーキは食べたよ」
「それは!ももちゃんのお祝いだからでしょ!」
「うん」

「待ってて、今からなんか軽いモノを作るから!
一緒に食べよ?」
キッチンに向かいながら言った、永遠。

「え……はるくん、食べてないの?」
永遠を追いかけながら言う。

「だって、ももちゃんがほとんど食べないのわかってたから」

「………」
百枝は永遠に後ろから抱きついた。

「ももちゃん?どうしたの?」
「………き…」
振り返り見下ろす永遠に、百枝は上目遣いで呟いた。

「ん?」
「はるくん…大好き……!」

「……/////」
不意の百枝の言葉に、永遠は無言で顔を赤くする。

「はるくん、私には勿体ないくらい素敵だから不安になる……
お願い!私を捨てないでね……!
私、はるくんに飽きられないように頑張るから!」

捨てるなんて、飽きるなんてあり得ない。
むしろ好きすぎて、頭がおかしくなりそうな位だ。

不安なんて、俺の方が毎日抱えている。

俺のいない日中、誰に会っているかわからない。

百枝が働いているショップは、小柄な人が着れる洋服を取り扱っている小さいサイズの専門のショップ。
なので、だいたい客は女性が多い。

しかし、店舗は駅ビル内のデパートの中。
当然、男性も行き交っている。

いつどんなタイミングで、百枝が目をつけられるかわからない。

自分よりも大人な男はいくらでもいる。
しっかりしているとは言え、永遠はまだ成人したばかりの大学生だ。

不安は常に付き物なのだ━━━━━━


「━━━━━ももちゃん、もう遅いからスープにしたよ!食べよ?」
「わぁー、美味しそう!
いただきまーす!
…………んー、美味しい~!」
美味しそうに食べる百枝を見ているだけで、永遠は幸せだと感じる。
百枝の笑顔が、永遠に生きる証のようだ。

家事は基本的に、永遠が行う。
それは、永遠の方が手際がよく早いから。
そして何より永遠自身も、百枝に世話をしたいから。
(あわよくば、完全に依存してほしいと思っている)

そんな永遠の思惑で、百枝は少しずつ永遠にたいして依存が強くなっている。
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