吸血鬼との世界
<次の日>

美鈴のことは綾女さんに任せた。

俺は学校に行って美鈴の分も勉強することにした。
目が覚めたらちゃんと教えれるように。

今回は前回のようにはいかないらしい。
前回はまだ能力に身体が慣れてないため起こったこと。

でも、今回は美鈴が傷ついて自分から無意識に防御能力を発動させた。
自分で解かない限りは解かれない。

しかも今回は黒い渦がだんだん濃くなっていき、今では完全に美鈴を覆って美鈴の姿が確認できなくなった。

総二郎さんの話によると、美鈴に渦巻く渦は美鈴の防御力の高さ。
つまり、どれだけ自分を守るかというものを具現化した形らしい。

今回のを総二郎さんにも見てもらったところ、相当な力で防御能力がかけられている。
これは厄介なものだ。

とのことらしい。

学校にはあの女も来ている。

美鈴がいなくなったのをいいことに毎日俺にくっついてくる。

でも俺の脳内は美鈴で埋め尽くされており、あの女が毎度毎度話しかけてくるが、何も聞こえてこなかった。
美鈴のことだけを考えていた。

授業が終わるとすぐ教室を出て自分の寮の美鈴の部屋に駆け込んでいる。

美鈴がいつ目を覚ましても悲しい思いをさせないように。
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