吸血鬼との世界
<次の日>

少しでも授業の遅れを取り戻したくてふらつく身体を零夜に支えてもらいながら登校した。

「美鈴ちゃん、大丈夫??」

「少し体はふらついているが大丈夫だ」

「なんで零夜くんが?」

「俺が話したほうが早いからだ、美鈴に負担をかけさせたくない」

「そうなんだ、無理しないでね」

こくんと頷いた。

別にしゃべれないわけではない。
ただ、ずっと喋ってなかったからうまく声が出ないだけ。
昨日犬飼グループの専属医師に診てもらったら、特に身体に異常はなく、健康。
ただ、動かしていなかった手足の筋肉が少し硬直しているので、リハビリは必要。
とのこと、だから今零夜に支えてもらえば歩ける程度まではきた。


でも、一人で普通に歩くにはまだ時間がかかりそうだ。
リハビリ毎日頑張ろう。

あれから、由希奈ちゃんは相変わらずしつこく零夜に迫ってきているけど
零夜は私しか見えてないみたいで前より零夜が私だけを見てくれると感じて何も心配することがなくなった。
零夜が私以外の人を好きになるなんて対だから以前にないと思う。
私たちは対云々の前に人として相手にお互い依存している。

本能的にお互いにはお互いがいなきゃだめだと感じるから。

だから由希奈ちゃんが零夜にしつこくしようが、関係ないくらいどうでもいい存在なのだから。彼にとっては。

ま、見てて面白いからいいんだけどね!
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