吸血鬼との世界
「どんな嫌がらせを受けていたんだ??」

もう話すしかないと思って、素直に話した。

「はじめはね、小さな嫌がらせだったの。教科書隠したり、トイレにいるときに個室蹴られたり」

「それでも十分俺をきれさせる要素はある」

「でもね、証拠がないの、で、今は完全に嫌がらせの域を超えてたの、階段から落とされたり、ロッカーにカッター仕込まれたり・・」

「大丈夫なのか!!!!????」

「うん、防御能力で身体に常にベールを纏ってたから全然何ともないよ。
でも、その『何ともない』が彼女を苛立たせたみたいで、昨日机の中にメモが入ってた」

「メモ?」

「うん、差出人はなくてただ『明日の放課後中庭に一人で来てください』と書いてあるだけだったの、なんだか怖くて・・」

「美鈴、そこには俺も一緒に行こう」

「え、でも」

「大丈夫、相手には見えないようなところで待機してる、危ないようだったらすぐに出て美鈴を守るから」

「うん」

「このことは理事長に報告しておく」

「あ、うん」

「大丈夫だ、美鈴を守るから。必ず」

「うん」

零夜がそう言ってくれると安心する。
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