吸血鬼との世界
〜美鈴side〜

その後、男子軍が帰ってきて話は終了になった。
午後も何故か女子軍の集中力はすごく、先生たちも驚いていた。

「では、さようなら」

先生のこのまったり挨拶で今日は終了になった。

「帰るぞ」

「うん」

授業が終わるとマッハで帰る私たち。
零夜は1分でも長く二人の時間がほしいらしい。
ここは部活などの入部は自由なので私たちは入らない。
部活と言っても「野球部」「バスケ部」「軽音楽部」の3つしか今のところはないらしい。

増やすにも顧問の先生がいないため、増やせないとか。

という3つの選択肢しかないため入る人が少ない。
なので放課後は寮に直帰。

まぁ買い出しやら何やら行くので部活に入らない方がいいのかもと思う反面、小中と部活に入らなかったので憧れている部分もあるのは確か。
でも、零夜が許してくれるとは思っていないので諦めている。

「今日買い出しに帰りにスーパー行ってもいい??」

「あぁ、今日は何作るんだ??」

「今日はね、餃子!ひき肉が安いの!」

「よし、じゃあ行くか!」

「うん、ねぇ零夜、前から気になったんだけど、対相手はいずれかヴァンパイアになるってことはないの??」

「相手が望むなら人間からヴァンパイアにはなれる。ヴァンパイアの血を人間が飲めば人間はヴァンパイアになれる」

「なれるんだ」

「ま、相手が望めばな」

「へぇ」

「どうした??ヴァンパイアになりたくなったのか??」

「ちょっとね、人間だと寿命が短いじゃない?ヴァンパイアに比べると。だからさ、せっかくみんなと出会えたのに寿命が短いと悲しいなって思って。零夜との時間も短くなるし」

「可愛いこと言うんだな。美鈴は」

「ホントのことだもん!だからいつかは零夜と同じヴァンパイアになれたらいいなって、そして魂尽きるその日まで零夜と一緒にいれたらいいなって」

「本当にかわいいことを。でも、そう思ってくれて嬉しいよ。いつかその時はヴァンパイアに美鈴をすると誓う。今はまだ人間でいてくれ」

「うん、わかった」

まだ知り合って間もないのにこんなにも零夜に心惹かれるのは『対』だから??
それとも…

この考えはそっと胸にしまっておいた。
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