吸血鬼との世界
「行こう、美鈴」

「うん」

私優先なところ嬉しい。

「零夜、ほかのクラスの女子にモテモテだね」

「俺は興味ねぇけどな、それより俺はあいつらがお前になにかしてこないかの方が心配だ」

「何かって??」

「女はこえーからな。だから、後でマーキングしておく」

「マーキング??」

「そ、ヴァンパイアが吸血しなくなったっつっても興味本位で人間の血を吸う野郎もいんだよ、でもそんとき吸血相手の首元に吸血跡があったら吸血する気失せんだろ??」

「そういうもんなの?」

「お前だって、人の食いかけのもん食いたいとは思わねぇだろ?それと一緒だ」

「じゃあ、血吸うの?」

「少しな。別にチョーカーあるからそんなに飲まない。あくまでもマーキングのために少量いただくだけだ」

「わかった」

「んじゃ、ちょっとこっち来い」

多目的トイレに入った。

「少量でも血の匂いが漂うと危ないからな」

と言って血の匂いを消すスプレーのようなものを撒き出した!

「これが漂ってる間は吸血しても血の匂いを感知されない。時間ねぇからちゃっちゃとやるぞ」

「うん」

零夜は首元に牙を刺し、少量の血を吸った。

「……美鈴、お前…」

「??」

「いや、何でもない!ちょうど切れたし行くぞ」

「うん」

零夜は何を言いかけたんだろう。

その言いかけた言葉を知ったのはまだ先だった。
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