吸血鬼との世界
~美鈴side~

「ここが私の部屋だよ!狭くてごめんね!」

「ありがとう、綺麗な部屋だな」

「あのさ、零夜、お願い…がある、んだ」

「??」

「私をヴァンパイアにしてほしい」

「!?」

零夜はびっくりしたような顔をした。
そりゃそうだろう。
普通に好きな相手が急にヴァンパイアにしてほしいと言ったら誰でもびっくりする。

でも、零夜と最期を迎えたいと願うから。

「どうして??」

「死ぬときは零夜とがいいから。でも、人間のままだとヴァンパイアと人間では人間が早く死ぬから、私、零夜を残して死にたくない!!だし、私が死んでから零夜が他の子の血を吸ってると考えると、すごくつらいから・・だからっ!!」

気づいたらなぜだか涙が出てきた。

「美鈴、そんなにも俺のことを考えてくれてありがとう、ほんとにいいのか??」

「うん、零夜と離れたくない、死ぬ最期のときまで」

「わかった。じゃあ、ちょっと苦しいけど、我慢できる?」

「うん」

「じゃあ」

そう言って零夜は首筋に牙を立て、血を啜った。
が、そのあと、何とも言えない苦痛が襲ってきた。

「ぐっっ!!!」

全身にとげで刺されるような痛みと、息苦しさがきた。

「うっ・・・」

苦しさに立てなくなり、崩れこんだ。
零夜はまだ啜っている。

前に聞いたことがあった。
ヴァンパイアになるには、人間の血を吸いつつ、ヴァンパイアの血を同時に入れていくんだと。

だから時間もかかると。

精神的に厳しい。
でも、零夜を信じる。
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