ただ一途に好きなだけ。
prologue
初めて出会ったのは今から3年前。
中学の入学式。
お父さんの仕事で転勤してきた私たち一家。
新しい地元の公立中学に進学した私だったのだけど、周りは全く知らない人たちばかり。
慣れない土地に慣れない学校。
不安で不安で仕方がなくて、入学式に出たくないほどだった。
緊張で足が震えてうまく動かない。
⁽どうしよう・・・⁾
うずくまることしかできない私は校庭の隅っこに腰かけていた。
「君、大丈夫?」
ふいに、誰かが声をかけてくれた。
それが君だった。
当時はおしゃれに興味なんてなくて、眼鏡に一つ結びの冴えない女子。
間食や炭水化物の取り過ぎで太っていたし、顔にはニキビがたくさんあった。
でも、恋をしてしまったから変わろうと思った。