独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
晴臣にとって大切なのは仕事で、優先順位が最も高い。
だから家庭での面倒事などごめんだし、仕事に影響を出るような結婚相手は絶対に避けたい。
そのような価値観で、瑠衣はとても良い相手だと判断し、結婚を決意した。
実際、結婚生活は順調で快適だった。
瑠衣はフルタイムの仕事をパートタイムに切り替えて、家事を一手に引き受けてくれた。
おかげで常に清潔で居心地の良い部屋が保たれているし、出て来る料理はどれも上手い。
彼女は要領のよいタイプのようで、何でも涼しい顔でそつなくこなす。
一方で恋愛経験は少ないらしく、ベッドの中では初心だった。
甘い言葉を吐くと頬を染めるし、行為の途中少し大胆な動きをすると恥ずかしがって涙をにじませる。普段のしっかりした姿とのギャップにやられた。
抵抗される程晴臣は燃え上がり、慣れていない瑠衣に初夜から何度も繋がって無理をさせてしまった。
その後も頻繁に満足するまで瑠衣を抱いた。
自分は淡泊な方だと思っていたが、実は違っていたようだ。
打算的な結婚だったのに、結婚一カ月が過ぎる頃には妻の魅力にハマっていた。
一番は仕事で家庭はその次だったはずが、いつの間にか最優先が妻になっている。
そんな自分に戸惑いながらも、悪い気はしなかった。
晴臣は傍から見るよりもずっと幸せな結婚生活を送っていたのだ。あの日までは。