独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
出来るだけ揉めたくなかったが現在のやんわり避けて相手が察するのを待つ姿勢では、彼女に伝わらないのだろう。
船木美帆は瑠衣に言った通り、取引先の役員秘書だ。
と言っても直接会話をすることは殆ど無かった。
スケジュール調整は晴臣の部下が行っていたし、せいぜい訪問したときに挨拶をするくらい。
それくらい距離のある相手だったが、それが変わったのは行きつけのバーで偶然会ったときからだ。
一番初めに居合わせたのは、瀬尾から瑠衣との関係を聞いてヤケ酒をした時だった。
いきなり話しかけて来て適当にあしらったのだが、その時は取引先の秘書とは全く気付かなかった。
彼女はオフィスで見かけるときの、いかにも真面目な雰囲気ではなく、華やかで目を引く存在だったから。
その後同じ店でもう一度会い本人が名乗ったときに、ようやく思い出したのだ。
バーで会った一度目も二度目も、彼女は一緒に飲まないかと誘って来た。
一度目は断ったが、二度目は自己紹介をされた後だったので、あまり素っ気なくも出来ずに一杯だけ付き合った。
そのときの彼女は礼儀正しかったし、常識的な距離感があった。
それから何度かバーで居合わせている内に、彼女は接欲的になり、初めは遠慮がちだった誘いが、当然のように隣に座って話しかけて来るように変化していた。
船木美帆は瑠衣に言った通り、取引先の役員秘書だ。
と言っても直接会話をすることは殆ど無かった。
スケジュール調整は晴臣の部下が行っていたし、せいぜい訪問したときに挨拶をするくらい。
それくらい距離のある相手だったが、それが変わったのは行きつけのバーで偶然会ったときからだ。
一番初めに居合わせたのは、瀬尾から瑠衣との関係を聞いてヤケ酒をした時だった。
いきなり話しかけて来て適当にあしらったのだが、その時は取引先の秘書とは全く気付かなかった。
彼女はオフィスで見かけるときの、いかにも真面目な雰囲気ではなく、華やかで目を引く存在だったから。
その後同じ店でもう一度会い本人が名乗ったときに、ようやく思い出したのだ。
バーで会った一度目も二度目も、彼女は一緒に飲まないかと誘って来た。
一度目は断ったが、二度目は自己紹介をされた後だったので、あまり素っ気なくも出来ずに一杯だけ付き合った。
そのときの彼女は礼儀正しかったし、常識的な距離感があった。
それから何度かバーで居合わせている内に、彼女は接欲的になり、初めは遠慮がちだった誘いが、当然のように隣に座って話しかけて来るように変化していた。