独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
最悪の再会
「瑠衣、旦那さんは大丈夫だった?」
晴臣との電話を終えて戻ると、既にグラスを半分にした那々が問いかけて来た。
「うん、今日飲みに行くって知らなかったみたいで驚いてたけど」
「伝えてなかったの?」
「少し前に言ったんだけど、忘れてたみたい」
席につき、瑠衣は少し氷の溶けたレモンサワーを飲む。
「男の人ってそういうところあるよね」
「そういうところ?」
「妻とか彼女はいつでも家にいると思い込んでる」
「そうなの?」
そんな話は初めて聞いた。でも確かに夫は瑠衣が家にいないと驚くようだ。
居て当たり前の存在。
(前向きに捕らえると信頼されているってことなのかな)