御曹司は恋人を手放さない
「その呼び方、嫌だなぁ」
結衣を抱き締めながら尚が囁く。吐息が耳に当たり、結衣はもがきながら「呼び方、ですか?」と聞き返す。
「うん、付き合ってるんだから名前で呼んでほしいな。できれば呼び捨てで」
「えっ、でも……」
先輩なのでちょっと、と言おうとすると尚の抱き締める力がさらに強くなり、苦しくなってしまう。
「先輩、苦し……」
恋人に抱き締められているというより、まるで逃げられないよう捕縛されているような気がする。結衣が自身の体を締め付けている尚の腕を持つと、そのまま抱き上げられてしまう。
「えっ、先輩!?」
結衣は足をバタバタ動かすも、尚は結衣を抱き上げたままズンズンと廊下を進んでいく。結衣の履いている上履きが脱げてしまってもお構いなしだ。そして、そのまま生徒会長が使う仕事部屋へと尚は入っていく。
「きゃあ!」
部屋に置かれたソファに結衣は投げ飛ばされる。ソファはとても柔らかいため怪我をすることはなかったものの、結衣が起き上がろうとすると、尚に体の上に乗られて動きを封じられる。
結衣を抱き締めながら尚が囁く。吐息が耳に当たり、結衣はもがきながら「呼び方、ですか?」と聞き返す。
「うん、付き合ってるんだから名前で呼んでほしいな。できれば呼び捨てで」
「えっ、でも……」
先輩なのでちょっと、と言おうとすると尚の抱き締める力がさらに強くなり、苦しくなってしまう。
「先輩、苦し……」
恋人に抱き締められているというより、まるで逃げられないよう捕縛されているような気がする。結衣が自身の体を締め付けている尚の腕を持つと、そのまま抱き上げられてしまう。
「えっ、先輩!?」
結衣は足をバタバタ動かすも、尚は結衣を抱き上げたままズンズンと廊下を進んでいく。結衣の履いている上履きが脱げてしまってもお構いなしだ。そして、そのまま生徒会長が使う仕事部屋へと尚は入っていく。
「きゃあ!」
部屋に置かれたソファに結衣は投げ飛ばされる。ソファはとても柔らかいため怪我をすることはなかったものの、結衣が起き上がろうとすると、尚に体の上に乗られて動きを封じられる。