わがままな純愛 ケイレブとユリア
その後ろ姿から、
大きな天使の翼が、輝いている・・・
金の光が散らされて・・
ケイレブは、うっとりとため息をついた。

ガチャン

ケイレブの目の前に、チーズと
ハムの盛り合わせの皿が
乱暴に置かれた。

「ほうっ、うまそ!!」
ケイレブは一瞬で、現実に戻った。

「スープ、すごく美味いね」
ケイレブは、おばちゃんに声を
かけた。

ケイレブの長年の勘で、
このおばちゃんは、不愛想だが
情報通でもあるだろうと踏んだ。

なにしろ、横幅が、ケイレブの
二人分はある、という存在感だ。

「食ったら、さっさと行きな。
ここの掃除があるんだから」

おばちゃんは、追い立てるように、声を荒げた。

「いいよ、俺さ、
今日は暇だから、掃除手伝うよ」

ケイレブは、親指を立てた。

「あんた、船員か?流れ者か?」
おばちゃんは、怪訝な顔をした。
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