わがままな純愛 ケイレブとユリア
仕事の面接
翌日の朝、校長室の前で、
ケイレブは、ネクタイを締めなおし、赤茶けた髪をなでつけた。
潮風で、濃いめのブラウンの髪が、すっかり赤くなってしまったのが気になる。
ひげもしっかりそったし、靴も磨いた。
このように、きちんとした格好をするのは、何か月ぶりだろうか。
ケイレブは、シュッとした長身だし、鼻筋の通ったハンサムだ。
瞳は、ヘーゼル(淡褐色)の優し気なブラウン。
笑うと、少し目じりが下がり、
愛嬌のある感じになる。
ケイレブ自身、このように
きちんとした格好をするのは、
好きでは無い。
<イギリス紳士になれ>と
言われれば、なるが、
できればなりたくないし、面倒くさい。
しかし、今日は重要な日だ。
上着の内ポケットに、
身元保証人の紹介状が、入っている。
ケイレブは、気合を入れるように、深呼吸してから、ポンと胸を叩いた。
コンコン
ケイレブは、ドアをノックした。
「どうぞ」
小さな声が聞こえた。