わがままな純愛　ケイレブとユリア
少し先には、アイアンワークの
美しい装飾の門があり、
数台の馬車が中に入っていく。

子どもたちは、
自分の家の迎えの馬車を、待ちきれないように、
中庭で鬼ごっこをしたり、ふざけあったりしている。

小学校の下校時刻なのだろうか。

道路沿いに立って、何となく眺めているケイレブの前を、
子どもたちのお迎え馬車が、
次々に到着する。

金持ちの貴族か、上流階級の子弟が通う学校。

乳母（ナニー）らしき女性が
何人かで、立ち話をしている。
乳母にまとわりつく子どもたちの身なりもいい。

お迎えも、もう最後のほうなのか・・
すっかり飽きた一人の男の子が、
庭の石畳で、何かを拾い上げている。

男の子は木の枝でできた
スリングショット（Yの字型ゴム銃）を片手に、弾になる木の実を、捜していた。

御者が台から降りて、
小さな女の子を抱っこして、馬車に乗り込ませていた。

その男の子は、ゴム銃を馬の頭に向けて、拾った木の実を発射した時だった。
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