わがままな純愛 ケイレブとユリア
軽い足音を立てて、
校長先生は、出て行った。

その後ろ姿を見送ると
ケイレブは、椅子に寄りかかり、
足を組んだ。

時折、開け放った窓から
ピアノの旋律と子どもの声、
合唱が聞こえる。

百合の芳香が、室内に広がる。

木漏れ日が、絨毯の上に落ちて、
光たちが、ダンスをしているようだ。

良い場所だな。

天使がいるのだから、ここは天国なのだろう。
ケイレブは目を閉じて、幸福感に浸っていた。

ズダーーーーン

勢いよく、ドアが開いた。
ケイレブは目を見開き、ドアを開けた人物を、凝視した。

「ふん、あんたかい」
マギーが、ずんずんと入ってきた。

天使の次は怪獣か・・?

ケイレブは、
その圧に負けないように、ひきつりながら笑った。

「ああ、よろしく頼むよ」
マギーは腕組みをして、ケイレブを下から上まで、じっくり眺めて

背後に立っていた校長先生に
振り向き、吠えるように言った。
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