わがままな純愛 ケイレブとユリア
天使の微笑みは、
俺の心臓をわしづかみにする。

ケイレブは、まだ汚れがついている手を、
ズボンの脇で、こすりつけるようにして、聞いた。

「あのっ、校長先生・・
どういった御用件で?」

「ケイレブ、あんたは帰っていいよ」
マギーは
<お前には関係ねぇ>と言うように、ジロリとにらんだ。

「いやっ、校長先生の仕事なら
俺はやりますよ」

そう言うと、
ケイレブはちゃっかりと、校長先生の隣に座った。

天使の隣に座るなんて、
なかなかチャンスがないのだ。

マギーの監視は、厳重だ。

「そうですね。
ケイレブにも、手伝ってもらわねばならないし・・・・
一緒に打ち合わせを、聞いてもらいましょう」

校長先生の言葉に、
ケイレブは、しめしめと鼻を
かいた。

マギーはフンと横を向いて、
ケイレブを無視して、メニューの説明を校長先生に始めた。

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