わがままな純愛 ケイレブとユリア
「それでは、メニューはこれで
お願いします。
手伝いの人は、私の方で頼みましょう」
そう言うと、
校長先生が立ち上がり、
マギーもよっこらと、しんどそうに立ち上がった。膝が痛むのだろう。
「わかりましただ。
材料の手配も、明日からすぐに
やりますだ」
校長先生はうなずいて、柔らかく微笑んだ。
「ケイレブ、わざわざ残って
話を聞いてくれて、
ありがとうございます」
「いえっ、いつでも声をかけてください・・」
そう答えると、
ケイレブも立ち上がり、名残惜しそうに
ため息をついて、立ち去る校長先生を見送った。
その背中を、マギーがバンと
力を入れて叩いた。
「いてぇ・・」
ケイレブは肩をすくめて、マギーを見た。
「ケイレブ、あんたも仕込みをしておきな」
マギーが何かたくらむように、
ニヤリと笑った。
「仕込むって・・?」
ケイレブは夢うつつのまま、
その言葉を繰り返した。