わがままな純愛 ケイレブとユリア
「だからあんたも狙っている
娘がいれば、話をつけときな

あんたも馬子にも衣裳っていうが、ちゃんとすれば、
誘われた女の子も、嫌とは言わんだろう?」

マギーは自慢げに、声を少し張り上げた。

「ここいらは、昔から美男美女の産地と言われているのさ。

その昔、このへんは魔女の国だったらしい。
魔女たちは、とても美しいのに、
別の国に行く時は、
わざわざ、老婆の姿になって
いったと言われる。

魔女の血を引く者は、とても美しいと・・・昔話だがね」

「ほうっ、んじゃぁ、
校長先生も魔女なのかな」

ケイレブは、別の意味で、
目を丸くした。

「あんたは本当に馬鹿だね。
本物の魔女なら、
学校の先生なんて、やるはずがない!!
魔力があれば、
苦労なんてしていないさ」

マギーはバカにしたような顔で、ケイレブを見た。

「確かに・・そうだね・・」
そう答えながら、
ケイレブの視線は、庭を突っ切って校舎に戻る、
校長先生の姿を追っていた。
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