わがままな純愛 ケイレブとユリア
ケイレブは暇さえあれば、
さぼる口実も兼ねて、子どもたちとよく遊んだ。
海賊ごっこで、ロープの結び方を教えたり、
たき火で、火の扱う方法を見せたり、
子どもたちは、ケイレブの繰り出す遊びに夢中だった。
夕方、ケイレブが校庭で道具の
片づけをしていると、
校長先生が、何枚か丸めた紙を
持って、庭の端に向かっている。
校庭の端に、小さな館があり、
校長先生は、一人でそこに住んでいる。
どうやら帰るところのようだ。
「校長先生・・・
お願いがあるのですが・・」
ケイレブが、大きな声で呼びかけた。
「何か・・?」
振り向いた時に、紙が木の枝に
ひっかかり、地面に散らばった。
ケイレブは走って、その紙片を
拾い上げた。
「これは設計図ですね・・
何か建てるのですか?」