わがままな純愛 ケイレブとユリア

チャリティーパーティの目的

ケイレブの質問に、
校長先生は、ふぅと大きく息を吐いて
街の方を見た。

「シェルターを建てようと、
考えているのですが、」

「シェルターって・・?」

校長先生は石垣に座った。
手を頬にやり、ひどく疲れているように見える。
いつもなら、薔薇色の頬も
幾分、青ざめているように見えた。

ケイレブは、すかさず隣に座り、
次の言葉を待った。

「ここは港に近いので、
漁師や船の仕事をする男が多くて
気の荒い人も多いのです。

お酒を飲んで、子どもや女の人を
殴ったりする・・・・」

天使は眉をひそめ、何か思い出したようで、
苦し気に口元に指を置いて、
息を吐いた。

「そんな時に、誰もが、駆け込める場所をつくりたいのですが、
寄付が、なかなか集まらなくて・・・困っているのです」

「そうですか」
ケイレブは、港の方を見た。

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