わがままな純愛 ケイレブとユリア
校長先生は寒さを感じたように、
膝の上で手を重ねた。

ケイレブはその手を見た。
淡雪のように白く、
小さな小鳥のような手・・・

その手には、領主としての重責が乗っている。
本来ならレースの手袋をして、
花束やリボンを持つ手なのに・・・

校長先生は立ち上がった。
「ケイレブ、
本当に、あなたは色々な事を知っていますね。
それに、子どもたちの面倒も
見てくれて、感謝しています」

ケイレブは照れ隠しに、鼻をかいて
「俺は商売人ですからね、
いろんな奴とつきあうし、
商売の場所もいろいろです。

商品も種類が多いし、季節に
よっても違います。
しんどい事もあるけど、
おもしろい事やおかしい事も、
たくさんありますよ」

校長先生は、興味深くうなずいた。
「子どもたちにも、外国の
お話を、してくれたのですね」

ケイレブは、天使を呼び止めた、
本来の目的を思い出した。
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