わがままな純愛 ケイレブとユリア
解雇通告
ドンドン
マギーは、校長室のドアを、豪快に叩いた。
「ケイレブ・アーカイブさんを
お連れしましただ」
マギーは大声で言った。
なぜ、客扱いするのだ?
ケイレブの脳内の温度が、一気に下がった。
「お入りください」
校長先生は、いつもの執務机に
座っていた。
執務机の前には、2脚椅子が
置いてある。
校長先生は緊張しているように、
固い表情で立ち上がり、促した。
「どうぞ、お座りください」
マギーがドンと座り、
ケイレブもつられるように座った。
校長先生は、ケイレブの書いた
紙の金額を見つめて
「その、まずはもう一度、
多額の寄付をしていただき感謝します」
「俺は・・校長先生の望みを
かなえるために・・・」
マギーが最後まで、
ケイレブに言わせなかった。
「あんたは・・
隣の国の大商人の御曹司だって、聞いただ」
校長先生は、口元に手を当てて、
ケイレブを見やった。
「そう、カーライル商会に聞きました。
あなたは、隣国の王族とも関わりのある
大商家の嫡男なのですね。
しかも、王子の御学友であるとも」
「俺は、ただの商売人の息子
ですよ」
ケイレブは、ややふてくされて
答えた。
その態度が、マギーを刺激したようで
「おめぇは、金に不自由しているわけじゃないんだろうが!!」
マギーは足で、ドンと床を叩いた。