わがままな純愛 ケイレブとユリア
あきらめない心
学校はいつも通りだったが、
こどもたちがいないので、静かだった。
パーティの後片付けのため、
休校にしたのだ。
ケイレブは躊躇したが、
そっと脇の小さな通用門を、開けた。
すると、
校舎脇の館から、かごを抱えて、
マギーがやってくるのが見えた。
まずい!!
ケイレブは、とっさに木立に
身を隠そうとしたが、
マギーは目ざとく見つけて、
すぐに大声で吠えた。
「ケイレブ!!何しに来たっ?!」
「俺はあきらめないぞっ!!」
ケイレブは、
負けじと応戦していた。
マギーは石垣にかごを置いて、
腕組みをして仁王立ちになった。
「しつこい奴だな・・」
天使と話をつける前に、
この守護怪獣を、何とか突破しなくてはならないのだ。
ケイレブもふんと、鼻息を荒くした。
「俺は、彼女の望みをかなえたい・・ただ、それだけだ」
「下心が、あるんだろうよ」
マギーが挑発してきた。
ケイレブは本音をつかれて、
一瞬ひるんだが
「俺はあの人が好きだ!!
それが何で悪い。
好きな人のそばにいたい、
当たり前の事だ!!」
マギーは面倒くさげに、
「ユリア様は結婚しない。
領主になるお方だからな。」