わがままな純愛 ケイレブとユリア
「いいえ、大丈夫です」
ケイレブの視線に気が付いて、
天使は慌てて、ローブの前を
かき合わせた。

山荘室内は、木の香りがする。
暖炉は小枝がパチパチはぜて、
火が燃えて暖かい。

食堂の大き目のテーブルには、
書類や本が散らばっていた。

天使はすぐに書類をまとめて、
横に置いた。

「どうぞ、お座りください。」

ケイレブが座ると、天使は斜め横に座った。
それから、
かごにかかっているナプキンを取ると
「ああ、マギーのワインがありますよね。
甘くて、香辛料をいっぱいいれた
自慢の逸品なのですよ」

ケイレブは、かごからワインのびんを取り出した。

天使は、ワイングラスを二つ、
戸棚から取り出して、机の上に置いた。

すぐにケイレブは、ワインを
グラスについだ。
シナモン、丁子、柑橘の香辛料の香りが、グラスから立ち上る。

「遠い所、来ていただいて
ありがとうございます。」

天使はそう言って、ワインをケイレブに勧めた。

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