わがままな純愛 ケイレブとユリア
「最初の馬車の暴走も・・
私には、止める力がなかった。

あなたが来て、子どもたちは
本当に生き生きと変わった。
シェルターも・・・
あなたの力で実現できます・・」

ケイレブはワインを一口飲んだ。
強い香辛料が、喉から鼻に抜ける。

「俺はあなたの力になりたい、
そう思っています」

ケイレブはそっと天使の手に、
自分の手を重ねた。

その手は冷たかった・・・

「一人で、何もかも背負い込む・・・
あなたが痛々しくて、見ていられない・・」

天使の羽はボロボロで、傷がついている。

きっと、マギーなら
弱みに付け込んで、卑怯な奴と怒るだろうな。

ケイレブはぎゅっと目を閉じて、
小さな声で言った。

「あなたが・・
俺の事を嫌いでなければ・・」
ケイレブの握りしめた手に
力が入った。

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